あいち相続あんしんセンターの解決事例
遺言書で遺贈された財産を受け取らないことはできますか?
calendar_month 2022年10月07日
愛知県にお住まいのAさん(40代女性)からのご相談です。
叔父Bさんが先日お亡くなりになり、遺言書を残していたことがわかりました。
その遺言書には、「AさんにBの相続財産の3分の1を贈る旨」が記載されていました。
遺贈とは、遺言によって財産を他人に贈ることを言います。
そして、遺言によって財産を贈る人(B)を「遺贈者」、贈られる人(A)を「受遺者」といいます。
なお、受遺者は必ずしも法定相続人である必要はありません。
■まず、遺贈には2種類あります。
例えば、Bさんの相続財産であるマンションを、
遺言書の中でしっかり特定して遺贈する方法を「特定遺贈」と言います。
この場合は、「その特定されて遺贈された財産だけ」を受遺者(=特定受遺者)は
取得することになります。
一方、遺言書で「Bの相続財産の3分の1」等といった一定の割合や、
「Bの相続財産のすべて」といった記載で遺贈する方法を「包括遺贈」と言います。
そして、例えば「Aに、Bの相続財産の3分の1を贈る」といった内容の場合で
Bさんに借金があった場合、Aさんはプラス財産だけではなく、
その借金の3分の1も受け継ぐこととなります。
包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有することになるためです(民法990条)。
■遺贈された財産を受け取りたくない場合、「遺贈の放棄」を検討します。
特定遺贈の場合、特定受遺者はいつでも遺贈の放棄ができます。
相続放棄とは違って、期間制限もなく、家庭裁判所への申述書提出も不要です。
そのため、特定受遺者は遺贈者の相続人(遺言執行者がいる場合には遺言執行者)に対して、
遺贈を放棄する旨の意思表示により行うことになります。
一方、包括遺贈のケースで包括遺贈の放棄をする場合、
相続放棄に類似した「包括遺贈放棄」の申述が必要となります。
具体的には、期間制限内(自分のために遺贈があったことを知ったときから3カ月以内)に、
家庭裁判所への申述書提出が必要となります。
今回の相談者Aさんは、包括受遺者であり、Bさんに多額の債務がある可能性が高いということで、
弊所にて包括遺贈放棄のお手伝いをさせて頂きました。
なお、この包括受遺者が相続人でもある場合、包括遺贈放棄をしたとしても、
相続人として相続放棄をしたことにはなりません。
このあたり、慎重な判断をしなければせっかく遺贈放棄をしても相続人として
相続財産を取得しなければならなくなる可能性もございます。
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