あいち相続あんしんセンターの解決事例

相続放棄と「相続放棄」の違い

相続放棄

事例

安城太郎さんは、妻 花子さんとの間に、長女の春子さんと、長男の一郎さんがいます。
太郎さんは、自宅の土地・建物と預金を残して亡くなります。太郎さんには特に負債はありません。
長男 一郎さんが、「おやじの財産はすべておふくろでいいから、俺は放棄するからと言いました」。
そこに春子さんも「私もそうする」と同調しました。
この相続、どうなるのでしょうか。

「相続放棄」の場合

私たち法律家が相続放棄と口にする場合は、法律で定められた「相続放棄」(裁判所に対して相続放棄の申し立てをし、受理されること。)のことをいいます。しかし、一般的には、春子さんや一郎さんのように、単に相続財産がいらないという理由で放棄という言葉をお使いのように思います。

今回の事例で、春子さん、太郎さんが「相続放棄」をし、法律上の効果が生じると第一順位の相続人がいなくなることになり、第二順位の相続人(被相続人の父母や、兄弟)が代わって相続人となります。
つまり、単純に花子さんだけが太郎さんの相続人となるわけではないのです。

相続放棄の場合

次に、一般に相続財産を引き継がないという意味で使われている相続放棄の場合はどうかをご説明します。
今回の事例の場合、一郎さんも春子さんも太郎さんの財産をすべて花子さんが受け取ることでいいのであれば、「安城太郎のすべての財産を、安城花子に相続させる」という内容の遺産分割協議書を作成します。その遺産分割協議書に、花子さん、一郎さん、春子さんの署名と実印の押印をすれば、一郎さん、花子さんの思いは実現されます。

被相続人に目立った負債がなく、相続人の1人に財産を引き継がせたい場合、「相続放棄」をする前にご相談ください。「相続放棄」をしてしまい、第1順位の相続人が全員相続人ではなくなってしまうと、第2順位の相続人の協力がなければ相続財産の引継ぎが成立しません。
遺産分割の方法でお考えを実現させた方が、みなさまに取ってよい場合もあります。

  • ただし、「相続放棄」には期限がありますのでご注意を!

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