あいち相続あんしんセンターの解決事例

不動産売却時の相続対策:具体的事例と効果的な遺産分割の方法を徹底解説

相続手続き 遺産分割協議書作成

不動産売却と相続税の基本

相続税とは何か

相続税とは、被相続人が死亡した際に、その遺産を相続した人に対して課される税金です。遺産総額から基礎控除額を差し引いた金額が課税対象となります。

相続税を計算する方法

基礎控除とは

相続税の基礎控除額は、「3000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」で計算されます。この控除額を超える遺産に対して相続税が課されます。

税率の計算方法

相続税の税率は累進課税となっており、遺産総額が増えるほど高い税率が適用されます。具体的な税率は国税庁のホームページで確認できます。

不動産売却時にかかる税金の種類

譲渡所得税

不動産を売却した際に得られる利益に対して課される税金です。通常、20%程度の税率が適用されます。

登録免許税

不動産の所有権移転登記を行う際に課される税金です。売却時には通常、買主が負担しますが、場合によっては売主も負担することがあります。

印紙税

売買契約書などの書類に課される税金です。売却額に応じて税額が変わります。

具体的な事例紹介:安城太郎さんのケース

事例の概要

平成29年1月11日、安城太郎さんが亡くなりました。相続人は妻の安城良子さん、長男の安城一郎さん、二男の安城二郎さんの3人です。太郎さんは安城市内にマイホームを所有しており、妻と二人暮らしをしていました。

課題の検討

太郎さんが亡くなった後、良子さんは施設に入所し、実家は空き家となりました。この状態で不動産を売却すると、3000万円の控除が適用されず、約570万円の譲渡所得税がかかる可能性があります。

解決方法

遺産分割協議を行い、不動産を良子さんが相続することにより、居住用不動産の特例を適用します。法律上、遺産分割の効力は相続開始時に遡るため、良子さんが相続した時点で居住用不動産とみなされます。これにより、譲渡所得税を回避できます。

居住用不動産の3000万円控除を適用する方法

控除の条件

居住用不動産の3000万円控除を適用するためには、売却する不動産が相続人の居住用である必要があります。また、相続人が実際にその不動産に居住していることが条件です。

控除の手続き

控除を適用するためには、確定申告の際に必要な書類を提出する必要があります。具体的には、住民票の写しや売買契約書などが必要です。

よくある質問

控除の適用条件や手続きについて、よくある質問をまとめました。詳細は税理士に相談することをおすすめします。

効果的な遺産分割の方法とそのポイント

遺産分割協議の重要性

遺産分割協議は、相続人全員の合意が必要です。全員の合意が得られない場合、家庭裁判所において調停や審判が行われます。

遺産分割の方法

現物分割

遺産をそのままの形で分割する方法です。不動産や現金をそのまま相続人に分けます。

代償分割

一部の相続人が現物を取得し、他の相続人にはその代償として現金を支払う方法です。

換価分割

遺産を売却して現金化し、その現金を相続人に分配する方法です。

共有分割

遺産を複数の相続人で共有する方法です。不動産などを共有名義にすることで、所有権を分け合います。

遺産分割の具体的事例

平成29年1月11日安城太郎さんは、お亡くなりになりました。相続人は、妻の安城良子さん、長男安城一郎さん、二男の安城二郎さんの3人でした。

安城太郎さんは、安城市内にマイホームの土地建物を所有しており、子供たちは実家を離れ、妻と二人暮らしをしていました。

妻の安城良子さんは、夫を亡くした事で気力が落ち、平成29年2月1日から施設に入所するようになりました。

実家は空き家となったため、子供達と相談し、平成29年4月1日に、実家を3000万円で売却しました。

遺産分割において検討すべき課題

通常、不動産を売却すると、譲渡益の20%程度の譲渡所得税がかかります。ただ、居住用不動産を売却した場合は、3000万円まで控除が効くので、譲渡所得税がかからない事になります。

今回のケースで問題となったのは、「居住用不動産にあたるか」です。

もともとマイホームは亡くなった安城太郎さんの名義で、太郎さんは亡くなっているため居住していません。妻の良子さんも、施設に入所していますので居住していませんし、子供たちも居住していません。

そうなると3000万控除が使えず、約570万の譲渡所得税がかかる事になります。しかし、遺産分割のやり方によっては譲渡所得税がかからないケースがあるのです。

解決方法

今回の場合、遺産分割協議を平成29年3月1日に行い、不動産を妻良子さんが相続したとします。ここでのポイントは、法律上、遺産分割の効力は、相続発生時にさかのぼる事になっている事です。民法第909条【遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずる。】

平成29年3月1日に、相続人全員が遺産分割協議書に押印したとしても、その効力は、安城太郎さんが死亡した平成29年1月11日にさかのぼり、平成29年1月11日から安城良子さんが、不動産を所有していた事になります。

そして、安城良子さんは、平成29年3月1日までは、この不動産に居住していたため、居住用の不動産となります。

よって、3000万控除が適用され、不動産取得税がかからないという事になります。遺産分割の内容次第で、約570万円近くの税金の違いが出てきます。相続は、その手順により受取額に大きな違いができくるので、慎重に検討する必要があります。

※あくまで一般的なモデルケースとして設定しておりますので、個々の事案については、税理士にきちんとご相談されることをお勧め致します。ご希望の方には、信頼できる税理士さんをご紹介いたします。

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