あいち相続あんしんセンターの解決事例
数年前に亡くなった方の相続放棄はできる?
calendar_month 2022年09月02日
愛知県在住のAさんからのご相談です。
一週間前、突然、何年も前に亡くなった九州在住の兄名義の不動産の固定資産税、都市計画税の納税についての書類が届きました。
この書類は、Aさんが法律上の相続人であることを前提としたものでした。
両親は兄が亡くなる前に、すでに亡くなっています。
兄が亡くなってすぐに、親戚から連絡があり、葬儀にも出席しました。
そのとき、兄と交流のあった親戚から、相続するものは何もないと聞きました。
兄とは昔から仲が悪く、Aさんが結婚を機に愛知に引っ越してから、何十年も疎遠でした。
インターネットでどうしたらよいか調べると、相続放棄は3か月以内にしなければならないと書かれています。
Aさんは、相続放棄はできないのでしょうか?
相続放棄をした方がよいのでしょうか?
相続放棄は,
- ①相続人が相続開始の原因たる事実(被相続人が亡くなったこと)
- ②これにより自己が法律上相続人となった事実
上記2点を知ったときから3か月以内に行わなければなりません。
ただし、相続財産が全くないと信じ、かつそのように信じたことに相当な理由があるときには、
相続財産の全部又は一部の存在を知ったときから3か月以内に申述すれば、
相続放棄が認められることもあります。
- ①について
Aさんの場合、兄が亡くなったことは、亡くなってすぐに知っています。
したがって、被相続人が亡くなったという事実は、何年も前から知っていたといえます。
- ②について
兄に妻や子どもがいれば、兄の相続人は兄の妻や子どもであり、
兄が亡くなってもAさん自身が法律上の相続人になりません。
Aさんは、Aさんが兄の相続人であることを前提とした書類が届いたことで、
初めて兄の相続人になったことを知ったのであれば、
②の事実を知った時点から、まだ1週間しか経っていないため、
②の事実を知った時点から3か月以内に申述をすれば、相続放棄が認められる可能性が高いです。
もし、①と②の両方の事実を知ってから3か月が過ぎている場合であっても、
以下の選択肢があり得ます。
Aさんと兄は長い間、疎遠であり、Aさんは兄が不動産を所有していることを、
前述の書類が届くまで知りませんでした。
さらに、葬儀の際に、兄と交流のあった親戚から、相続財産がないことを聞かされており、
Aさんはその言葉を信じていました。
兄と交流のあった親戚の言葉を信じたことには、相当な理由があるといえる可能性があります。
これらのことから、Aさんの場合、兄に相続財産があると知った時点、
つまり前述の書類が届いてから3か月以内に申述をして、相続放棄を認めてもらうというのも、
選択肢の一つとして考えられます。
さらに、どうして放棄したいか?によっては、別の方法も考えられます。
例えば、Aさんが兄が嫌いで、兄の財産など金銭的に価値があっても要らない!ということであれば、
他に相続人が居れば、その人と、遺産分割協議をして、兄の不動産はAさん以外の相続人が取得する、
ということにしてもよいでしょう。
遠方の不動産を取得しても、管理するのに困る、という場合も同様です。
一旦、Aさんが兄の不動産を取得し、売却する、という手段も考えられます。
もっとも、長年疎遠で、被相続人の生前の生活ぶりが明らかでない場合には、
借金等がないか、調べてから、相続放棄をするか相続をして相続財産を引き継ぐか判断をする、
という方もいらっしゃいます。
以上の通り、「相続放棄」といっても、様々な状況によって、相続放棄が認められるかどうか?、
そもそも相続放棄をすべき場合かどうか?、色々な場合が考えられます。
弊所では、Aさんのような方のご相談に多く対応させていただいております。
ぜひ一度、少しでも不安な方はご相談ください。
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